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孫子の兵法 26 指桑罵槐

第二十六計 指桑罵槐「桑を指して槐を罵る(くわをゆびさして、えんじゅをののしる)」

 春秋時代の斉に、司馬穰苴という将軍がいました。
 司馬穰苴は「武経七書」の一つ「司馬法」を著した人物です。
 斉が燕に攻撃を受けた時、この将軍が陣頭に立ち、軍を召集ました。
 司馬穰苴は、召集して集まった部隊の将軍として、部隊の軍紀を引き締め、部下の心を捉えようか思案していました。
 そこに、軍目付である、荘賈が約束の期限を大幅に遅れてやってきました。
 軍目付けが軍紀を乱すのは言語道断です。
 しかし、荘賈は、言い訳をし、王に助けを求めようとました。
 実は、この荘賈、王のお気に入りの寵臣だったのです。
 ここで、寵臣であることを理由に、無罪放免とすれば、軍紀は乱れ、部下の心は離れてしまいます。
 そこで司馬穰苴が思いついたのが、「指桑罵槐」の計である。
 司馬穰苴は軍法官を呼び寄せ、約束の刻限に遅れた者がどのような罪に相当するのか尋ねました。
 軍法官は、「斬罪に該当する」と言ったのです。
 それを聞くと司馬穰苴は、荘賈を直ちに斬罪に処しました。
 その旨を全軍に布れ、兵士は震え上がり、軍の統制は引き締まったそうです。
 さらに、司馬穰苴は、軍紀を正すだけでなく、将軍であったにもかかわらず、兵と衣食を共にし、同じところで寝、自分の給料を割いて兵に振舞ったため、病兵や傷兵がこぞって出陣を請い、全軍が勇躍して戦いに望む事ができたそうです。


 指桑罵槐は、統率力を維持する為の、策の一つであり、軍事的な策と言うより政治的な策といえるでしょう。
 統率力は、多くの人をまとめて率いる能力であり、リーダーに求められる重要な要素です。
 とはいいつつも、リーダーという強い立場で、力づくで弱いものを従えても、短期的には従えることはできても、長期的には、反発の心が積み重ねられ、従わなくなってしまいます。
 ですから、リーダーが組織のチームワークを維持するのに、信頼や援護が必要になりますが、それだけだと馴れ合ったり、甘えが出たりします。
 こうなると、部下はリーダーの言うことを聞かなくなってしまいます。
 時には厳しく当たる事も重要で、情況に応じて、部下に対してアメとムチによって、部下を制御するのは、リーダーとしての責任です。
 特に、内部や直接指示したり、直接叱れないケースにもちいられるのが、指桑罵槐です
 本当は槐を直接怒鳴りたいのですが、それができない時は桑を指差して、間接的に槐を罵るというのが、指桑罵槐のポイントです。
 つまり、指桑罵槐は、実際に罵られているのは桑ですが、本当に罵りたいのは槐だと言うことです。
 実際、人間と言うものは、自分が、直接的に非難や警告をされると反感を持たれやすいものです。
 それに対して、指桑罵槐によって、別の事例を取って非難叱責を加え、一人を厳しく罰することで、同じ組織に属する当事者達を統率しようと言うものです。

 統率については、多くのリーダーが抱える問題であるといいえるものです。
 組織は、最初から統率の訓練がしっかりされた組織であるとは限りませんし、リーダーとは名ばかりで殆ど実質的な権限が無い場合すらあります。
 こうなると、リーダーがいくら適切な指示や指揮をとっても、組織は動きません。
 手っ取り早い方法としては、メンバーに対して利益を提示して従わせる方法もなくもないのですが、それでは、財力が尽きた瞬間にバラバラの組織になるどころか、組織が実質的な崩壊をしてしまうことすらあるでしょう。

 こうした時、リーダーとなる人はメンバーに対して、うまく厳と仁のバランスを取ってメンバーを動かしているか自問してみるとよくわかることでしょう。

 このとき、組織の中に本人に同意させて怒られ役を作り、時には皆の前で怒るという方法もあります。
 怒られ役は、組織において、ある程度、高い地位であることが条件です。
 位が低い場合は単なるいじめとみなされたり、その人間だけが悪いで終わってしまうからです。
 もちろん、ある程度高い地位の人間に、怒られ訳を同意をさせることは、難しいかもしれません。
 しかし、その怒られ役が、引き締めたい部門のチームリーダー的存在でしたら、その一人だけをしかりつければ効果は抜群なのです。
 どうしても、同意が得られない、ないしそうした同意が得るような話し合いが設けられない環境の場合は、わざと誤解したり、ターゲットになる人物の失敗を厳しくチェックすることで、失敗を責める必要があります。
 指桑罵槐を使用する上で覚悟しなければいけない点が2点あります。
 1つ目は、自分自身が憎まれ役になるということです。
 2つ目は、怒られ役本人、あるいはその親しい存在を敵に回す可能性があるため、その後の立ち回りを覚悟する必要があるということです。

 さて、指桑罵槐は、現代社会において、どのようにかつようできるでしょうか?
 これは、いわゆる管理職がそのまま利用できる策ですが、特に部外者と協力するようなことがあったときに効果的な策です。
 たとえば、町内会などで、責任者になったとき、ルールの違反者について追求し、罰則を与えるなどです。
 ただし、指桑罵槐は、厳罰をもってそれを引き締めますが、さすがに、厳罰まではというときは、ルール違反者が誰であるかを周知するようなペナルティーを設けるだけでも効果的です。
 指桑罵槐のポイントは、リーダーとして適法と公正による決断ができることをメンバーに自覚させることが重要なので、厳罰や軽いペナルティーだけではなく、警告も効果的です。

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