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未履修問題を振り返る


◎未履修問題、責任の所在争点に=政府・与党と野党が論戦
(時事通信社 - 10月31日 23:10)

★★★ここから★★★
 高校必修科目の履修漏れ問題の責任の所在をめぐり政府・与党と野党のスタンスの違いが31日、鮮明になった。学校や教育委員会に一義的な責任があるとする政府・与党に対し、野党は文部科学省批判を展開。教育基本法改正案の扱いとも絡み、国会論戦の争点となってきた。 
★★★ここまで★★★
 だそうです。

 まぁ、だいぶ前のニュースですし、なんとなく解決したかのように忘れられている問題ですよね。
 いわゆる、未履修問題は、大学受験における進学実績を向上させることを重視した高等学校が、学習指導要領では必履修科目だが大学受験には関係ない科目を生徒に履修させなかったため、その結果単位不足となって卒業が危ぶまれる生徒が多数いることが判明した問題です。
 富山県の県立高校で最初に明らかになり、それをきっかけに全国の高校で次々とこの問題が発覚しました。
 主に未履修となったのは、1994年から世界史を含む2科目が必履修科目となった地理歴史科や、2003年に新設された情報科です。
 ほかにも、その他にも理科総合、家庭科、芸術、保健等で履修不足があったそうです。
 また、教育委員会に提出した授業計画と明らかに違ういわゆる裏カリキュラムを採用する学校や、教科の名前と中身が違う学校もあったといいますから根の深い問題だったといえるのではないでしょうか。

 さて、問題発覚当初、伊吹文明文部科学大臣は救済に慎重な姿勢を示していましたが、生徒に対して、与党が救済を求める声や、安倍晋三首相の指示を受け、救済措置を取ると方針転換しました。
 この救済処置は学校教育法施行規則の学習指導要領に違反しているのにもかかわらずの、救済措置ですから、超法規的処置という指摘もあります。

 文部科学省が発表した救済措置の内容は下記の通りです。
 1)最終年次に在学する生徒については、履修漏れが2単位以下の場合は、不足授業数の3分の2の補習とレポート等の提出を以って履修したものとする。
 2)履修漏れが2単位を超える場合は、70単位時間を未履修科目をその科目の特性等に応じて割り振り、残りの不足分は免除し、レポート等の提出を以って履修したものとする
 3)既卒者については不問とする
 といったものです。
 この救済措置については、学習指導要領に基づいたカリキュラムで学習した生徒達からは批判されました。

 そもそも、この未履修問題の問題とはいったい何だったのでしょう?
 一言で言ってしまえば、机上の空論がが表面化したというところでしょう。
 机上の空論が、砂上の楼閣となった理想が現実の前に崩れ去ったというところです。

 学校については、未履修問題自体が法律違反であるということと、カリキュラムについて無責任だったことが上げられます。
 学校によっては、犯行発覚後に制度が悪いなど批判や言い訳がありましたが、論外であることはいうまでもありません。
 これは、そもそも高等学校の学習指導要領という机上の空論に、無理があるという現実を現場でごまかし続けた結果なのだと判断できます。

 マスメディアについては、大学合格者を増やす為の学校ぐるみのズルであるという視点の報道にかたよりすぎており、「必修科目を履修しないのは変ではないか。」と主張した良心的な教員がいたことや、「学習指導要領は単にカリキュラム編成にあたっての大綱的基準であり、カリキュラムの編成権は校長にある。
 という報道がほとんどなかったことがあり、教育の中の問題でありながら、問題の核心に迫ることなく、表面上の事だけを批判していたという問題も挙げられます。
 個人的には、高等学校の学習指導要領という机上の空論に、無理があるという現実を中心に報道して欲しかったという希望があります。

 文部科学省についても、未履修問題の可能性として、そもそも高等学校の学習指導要領に無理があるという問題があります。
 この問題については、文部科学省の意向にそった創意工夫を各学校が行った場合、一週間の授業時数に収まらなくなってしまいます。 
 今回問題になった履修振替を行わざるを得ないことを、現行の学習指導要領を制定した際の全国研修にて指摘されていながら、その対策がなされていなかったという問題もあります。
 まさに、無責任な机上の空論を押し付けたという責任が文部科学省にあるといえるのではないでしょうか。

 ほかにも、教育委員会も、本来、管轄している学校の履修状況を把握する立場にあるわけですから、今回未履修が数年間にわたり見過ごされていたのは、教育委員会に責任がないわけではありません。

 なにより、大きな原因は、机上の空論と現実の差異です。
 公立高校の学区廃止、私立高校の受験重視カリキュラム、都市部と地方の学力格差という社会的背景もありますし、大学受験の制度と高等学校の学習指導要領のミスマッチも上げられます。
 大学受験にあるといえるでしょう。
 大学受験は、限られた科目で試験が課されるため、受験生たちは、自分の受験科目のみを勉強したいという場合が多いくあります。

 こうした問題は、未だ解決しているのかといわれると、未解決だと思われます。
 また、この手の問題が浮上すると、責任のなすりあいが、国会でなされるのです。
 そうした責任のなすりあいは、国会話し合う話題ではありません。
 むしろ、上記に上げた問題を解決するために、どのような法律が良いのか議論するのが国会のはずです。
 単純に、スキャンダルを責めるだけの政治利用に過ぎなくなってしまいます。

 そいう責任のなすりツケなら、与党と野党で法廷で言い争ってほしいです。

 野党は、被害者となった生徒の家族と組んで文科省を訴えればいいのです。

 国会は、より良い法律を成立させるための、立法権を有する立法を担当する機関です。

 個人的には、「学校や教育委員会に一義的な責任がある」なんて、文科省に責任がないと言い切るのは、あまりにも無責かつ、プロ意識のかける発言だと思います。
 未履修問題のような問題を防ぐように、監督するのが文科省じゃないのでしょうか?

 まぁ、無責任だから、未履修問題のような問題が発生したのでしょうけれど・・・。


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