不ぞろいな、大人の思惑
不ぞろいな、大人の思惑
<全国学力テスト>失敗繰り返さず、有効に活用できるか
(毎日新聞 04月25日 08:44)
★★★ここから★★★
小学6年生と中学3年生の全児童・生徒を対象とする全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は24日、約77億円をかけ、国公私立の全小中学校の98.95%に当たる約3万2700校で行われた。学力低下への懸念を背景に子どもたちの課題を見つけ、改善につなげていく目的の学力テスト。約40年前に行われていたテストは、学校・自治体間の「学力コンテスト」と言われる競争激化を理由に廃止された。同じ失敗を繰り返さず、有効に活用できるのか。
★★★ここまで★★★
だそうです。
まず、全国学力テストそのものの賛否より、その結果が悪用されるかどうかが問題のように思います。
一般に、ゆとり教育は失敗であるという認識が多くありますが、これは、私たち大人の社会が、ゆとり教育によって育成された人材を受け入れる余裕が無かったという現実があってこそです。
同様に、全国学力テストの目的がどうあろうと、その結果を目的以外で使う存在がある限り、過度な競争は促されることは火を見るよりも明らかです。
なぜなら、 学校、保護者側は、
「全国学力テストの結果=学校の実績」
と位置づけられる可能性があるからです。
すると、全国学力テストの事前対策がされ、文部科学省の全国学力テストの狙いである、「現状を把握すること」が達成できなくなってしまいます。
実際、教育の現場では、成績を気にして、事前対策を講じる学校の存在が指摘されています。
<学力テスト>校長が練習問題を指示 15県教組が回答
2007年10月7日3時30分配信 毎日新聞
★★★ここから★★★
今年4月、43年ぶりに実施された小中学校の全国学力テストで、日本教職員組合が加盟する各都道府県教組を対象に、事前のテスト対策についてアンケートしたところ、15県教組が「児童や生徒に練習問題を解かせるよう校長に指示されたケースがあった」と回答したことが分かった。文部科学省は「普段の学力を把握するのが目的で、直前の練習は好ましくない」と指導しているが、教育委員会が予想問題を作り解かせた例もあり、行きすぎた対策で結果がゆがめられた可能性もある。
テストは全国の小学6年生と中学3年生を対象に、国語と算数(数学)で実施した。アンケートはこれを受けて実施し、各都道府県教組に事前準備や実施上の問題点を尋ね、34県の教組から回答があった。
直前のテスト対策については、「校長から過去の県テストを最低3回行うようプレッシャーをかけられた」(中国地方)▽「市教育研究所が対策問題を作り生徒に配った」(北関東)--との回答があった。指示のあった15県中11県の教組が、実際に予備問題を解いたと答えていた。
また、「学力テストに慣れるように、と言われ予想問題を配り実施した」(東海地方)▽「類似問題をやらせたら、と言われプリントが机の上に置かれた」(東北地方)など、問題を押しつけられていた所もあった。
東北地方のある県では、「成績が悪いと教員を余分に配置する措置が見直されるので、力をつけるように」と管理職が教員に指示。テストの点が低迷すると予算が減らされるためとみられる。
演習では、過去の県の学力テストや業者の予想問題が使われた。授業をつぶし午前中ずっとテスト対策した学校もあり、普段の勉強がおざなりになった恐れもある。【山本紀子】
◇抽出調査に変更を
▽教育評論家の尾木直樹さんの話 全国一斉の学力テストをすると、どれだけ平均値が高いかを各校が競うようになる。教育とは個人の力を伸ばすもの。平均点を伸ばすのに全く意味はない。事前の予備テストで準備する学校では、正規の授業がおろそかにされ学力向上にならない。私が聞いた話でも、テスト当日に成績のよい子が学校を休んだので、教師が家に迎えにいったという笑い話のような出来事があった。国は全国調査をやめ抽出調査に変えるべきだ。
★★★ここまで★★★
だそうです。
テストの点数を上げようと、テスト対策に、普段の勉強がおざなりになったり、平均点を伸ばそうと、テスト当日に成績のよい子が学校を休んだので、教師が家に迎えにいくというのは、あきらかに、教育の目的である子供たちが社会に適応する大人になるということが、ゆがめられているのではないかと指摘せざるを得ないとおもわれます。
学校側がこのような対策をとる背景には二つの要素が予測されます。
一つは、いずれ点数の低い学校は、不合理な教育をしているというレッテルがはられ、予算が減らされるのではないかという不安。
そして、おそらくは、全国学力テストの結果は、学校の実績と捉える保護者もでてくるだろうという不安です。
全国学力テストの結果は、学校の実績と捉える保護者は、テストの点数だけを気にする保護者、および、学歴を異常なほど重視する保護者の存在を見れば予測することは難しくありません。
実際、小中学校の算数・数学の「学力調査テスト予想問題集」というものがあり、表紙には「模擬テストで学力アップ」とうたっている本が、2月に出版されたそうです。
それが、予想より売れ、在庫もわずかになったということもあるそうです。
この学校側の二つの不安によって、教育がゆがめられ、教育を受ける側である子供たちが被害者になるという結果は避けたいとは思います。
では、全国学力テストを実施した、文部省の意見はどうなのでしょう?
文科省の担当者は「普段の授業を大切にするのが基本で、参考書などによって特別な練習をしてテストに臨むものではない」という言葉を残しています。
文科省の担当者の言葉と、現場の認識にはどうも大きな開きがあるようです。
つまり、全国学力テストという方法では、学校側や保護者の対応によって、文科省の狙いは達成できない非現実的な手法であったということになると思われます。
このような現象が既に起きているということは、全国学力テストが、学校の実績として捉えられ、学力コンテスト化することを意味しているといえるでしょう。
さらに言えば、バウチャー制度に加え、人気校に予算を多くするという政策の提案もされています。
全国学力テストの結果は、非常にわかりやすく、まさに、過度の競争を促す推進剤に成りえるものです。
つまり、文科省、学校、保護者という大人の狭間で、不ぞろいな大人の思惑があり、その犠牲者が教育を受ける子供だといえるでしょう。
じゃぁ、どうすればいいのでしょう?
私だったら、テストの点数よりも、テストの結果から子供が何かを学び取るテスト後の対策の方を重視すべきだと思うのです。
「現状を把握すること」という本来の目的からすれば、公表することは不用で、現場レベルで把握できれば、いいだけの話しだと思います。
しかし、行政は、数値を重視し、現場を無視するこの手の机上の空論的失敗を繰り返しています。
現場を無視した数値化で、現在の問題点など認識は不可能です。
問題点が認識できない対策など無策よりもたちが悪いといえるでしょう。
それで、本気で改革できるかといえば、出来るわけがありません。
そろそろ、行政は、数値を重視し、現場を無視するこの手の机上の空論的失敗を繰り返していることに気がつくべきです。
もし、私が政府の立場であるならば、メスを入れるのは大人の教育への意識改革他なりませんし、教育の問題は、まさにそこにあるというのが私の判断です。
そして、現状把握のために必要なのは、学力テストよりも、子供た
ちの気持ち、嗜好などの把握の方がずっと重要だと思います。
学力というものは、個人差、得手不得手はあっても、興味を覚えさせることさえできれば、そのための方法論はあります。
勉強に興味を持たせ、学力をアップさせるのは、それに加えて、身近な大人が個々の子供を誉めればいいだけの話です。
現実を無視した、数値だけを重視した机上の空論よりは効果はあるはずです。
教育改革をするなら、各大人は、自分が教育するのだと意識改革をするべきでしょう。
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