親学は正論であっても、行動がないから机上の空論です
親学は正論であっても、行動がないから机上の空論です
<教育再生会議>「親学」表現使わず 反発に考慮
(毎日新聞 05月11日 03:11)
★★★ここから★★★
政府の教育再生会議は10日、親に向けた子育て指針として今月中旬に発表する予定だった「『親学(おやがく)』に関する緊急提言」について、当面は発表しない方向で調整に入った。発表する場合でも「親学」という表現は使わない方針を固めた。予想外の反発に考慮した措置で、第2次報告の正式決定までに発表の可否を含めて取り扱いを決定する。
親学は「親も子育てについて学ぶ必要がある」との観点から保守系有識者らが提唱した。再生会議は4月17日に親学提言を行う方針を決めたが、政府内や委員から「国が国民に教育観を押し付けるかのような尊大な印象を与える」といった意見が噴出。自民党文教族からも「参院選を前に女性層の反発を招く」との懸念が示されていた。
★★★ここまで★★★
だそうです。
まず、現代日本における、なぜ、子育てのしにくい環境なのかといえば 育児インフラの不備(政治レベルでの育児の不備)
・育児への不理解(個人レベルでの育児の不理解)
というものがあげられます。
・育児インフラの不備(政治レベルでの育児の不備)
育児において、日本のインフラは非常に不便にできています。
嘘だと思われるなら、1日ベビーシッターをするなり、ベビーカーをおして街をあるってみてください。
子供の居場所が無い上に、インフラそのものが子育てに不親切なつくりであることが実感できます。
現代の日本は、健常者のことしか考えていないインフラ整備になってしまっています。
それでは、育児はもちろん、介護もできません。
赤ん坊でなかった大人はいません。
老人にならない人はいません。
ケガや病気をしない人はまずいません。
それなのに、いわゆる弱者への思いやりを欠いているということは、まさに、インフラの不備だといえると思います。
育児インフラに不備があるなら、育児インフラを充実させるのが、政府の仕事だといえるでしょう。
親学を提唱するより、ずっと現実的かつ効果的です。
では、育児インフラの充実といってもどのようにすればいいのでしょうか?
まず、育児のインフラ充実したという状況は、
「乳幼児を実際つれてあるって苦労しない社会作り」
ということがいえるでしょう。
実際、育児をされている方は、乳幼児を連れてあるって買い物がもっと楽になればいいと思いませんか?
社会をみわたせば、大人の居所はどこにでもあっても、乳幼児の居所はかなり限定されています。
駅、映画館、飲食店、タクシー、公園、道、歩道橋、トイレ、電車、バス、役所、その他もろもろは、一人前の大人しか使わないという前提のもと創られ、まるで乳幼児が邪魔者のようなつくりになっています。
さらに、経験者なら理解してもらえるでしょうが、ミルクを与える場所やおむつを替える場所の少なさ。
こういったことは、政治によってなされることで、実は、こうした事が楽になるだけで育児の負担は減ります。
なぜなら、乳幼児を連れて行くことが負担になることで、母親(本当は父親もですが)が外にでること自体が負担になるからです。
他にも、私の頭の中では、交番をもっと増やす(まぁ、最近は危険なことが多いので子供を守る正義の味方が必要かなと)、コンビニ託児所、老後育児施設(おじいちゃん、おばあちゃんに育児を委託する)、歩行者専用道路(車があぶないんですよ、これが)などなど、とにもかくにも、現在の育児のやりにくさを本気で変えようとすれば、お金がかかとおもいます。
無駄な育児インフラが出来る可能性があるかもしれませんが、効果的な育児インフラをする方法を提案しておきます。
インフラの計画を立てる人が、計画前と実施後に下記のことをすることです。
・1日ベビーシッターをし、乳幼児をつれて外出する。
・1日介護をし、車椅子の人か一人で出歩けない高齢者を連れて外出する。
・1日高齢者と散歩し、高齢者の話を散歩しながら聞く。
・1日外国人ガイドを行う。
これを行って計画を立て、実行し、その後反省のために、再び同じ事をすれば、効果的な育児インフラの整備ができることでしょう。
次に、育児への不理解(個人レベルでの育児の不理解)
という問題点です。
つまり、少子化問題は、育児のインフラの不備だけ。
というわけでもありません。
少子化の要因は、政治の責任もありますが、政治の責任だけではありません。なぜなら、昔は育児インフラなど整備されなくとも、今の日本ほど育児しにくい社会ではなかったのです。
その背景は、下記のようなものがあるでしょう。
・核家族化により、育児の負担が両親だけになってしまった事
・少子化により、兄弟も育児に参加していたが、その兄弟も少なくなり、両親に負担が言ってしまった事
・両親も自営業よりもサラリーマンが主体になった事により、育児と仕事が両立しづらい状況になった事
・育児は両親が行うものであるという国民の育児への無関心
といった、社会情勢にともなう、国民の育児への価値観の変動にあると私は考えています。
上記の理由から、日本社会、および、個人レベルでの育児の意識は低いといわざるをえないでしょう。
行政は、こうした意識を改革するような政策も必要になるでしょう。
たとえば、
・育児休業の充実
・低額のベビーシッターや保育園などの育児サービス
などを充実させることも、少子化問題対策としては重要だとおもいます。
・育児休業の充実
これをはかるためには、企業の協力が必要ですが、政策としては育児休業を充実した企業に補助金を出すなどすれば、可能のように思えます。
この補助金の財源は独身税です。
また、これを不正利用した不届きな役人と企業の役員は、ホームページに個人情報を掲載し、100人の乳児のオムツを替える刑になど、育児の大変さを身にしみて感じてもらいましょう。
また、
・低額のベビーシッターや保育園などの育児サービス
は、ボランティアを募り、独身者も、ボランティア育児(子供の世話)という育児の疑似体験してもらうことで、可能かとおもいます。
この対策によって、社会の意識が変わって来ると期待したいです。
いえ、子供欲しいなぁ。
と思うのは、他人の子供と接したときが多いこともあります。
とにもかくにも、現在の日本の育児についての問題は、親学などよりも、
・育児インフラを整備すること(育児が負担にならない環境づくり)。
・育児休業を充実させること(育児休業の定着)、
・低額のベビーシッターや保育園などの育児サービスを充実させること。
これらを実現させる事の方がずっと現実的かつ効果的です。
これは、親学が間違っているということではありません。
正しいことを言えば、問題が解決するほど単純ではないということです。
なぜなら、親学を提案する側は、提案するだけで、なんらフォローもすることなしに、行動しないからです。
正しい事を、正しく機能するための創意工夫がなければ、何の効果もないということです。
つまり、親学は正論であっても、行動がないから机上の空論であるということになってしまうのです。
ということで、
・育児インフラを整備すること(育児が負担にならない環境づくり)。
・育児休業を充実させること(育児休業の定着)、
・低額のベビーシッターや保育園などの育児サービスを充実させること。
これがあれば、育児手当をばらまいたり、親学でご高説を言うだけよりも、ずっと効果は期待できると思います。
★★★
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コメント
大変興味深く読ませていただきました。
育児に関する社会の現状を述べ、
それに対する提言をされていて、
共感する部分もありました。
しかし私は、
育児インフラの整備は、
それほど必要ないと思います。
私も小さな子供がいますが、
親が乳児を連れて、
頻繁に外出するのは感心しません。
育児に関して行政が、
あまりにも面倒をみるようになると、
親と子供の距離が疎遠になったり、
何よりも子供は落ち着きません。
子供の小さな頃には、
できるだけ静かでゆったりした環境で、
育児をされる方が良いと思います。
その為には、
家庭環境や周囲の協力が大切であります。
子供の育て方は、
親によって様々であるでしょうが、
子育てを知らない親が多すぎます。
そういった意味で、
「親学」は大切でしょう。
私は行政が、
そういった指導をしなければならない日本社会に問題があると思います。
こういった社会にしてしまったのは、
私たち国民です。
正論に対して反発する国民で良いのでしょうか?
私はインフラの前に、
親になる人や、
親になった人が親としての生き方や、
子育てについて学ぶことが、
大切だと思いますが、
呟き尾形さんの様々な提案はとても興味深いので、
私も参考にさせていただきたいと思います。
投稿: s.f. | 2007.10.24 03:26
●s.f. さんへ
>大変興味深く読ませていただきました。
>育児に関する社会の現状を述べ、
>それに対する提言をされていて、
>共感する部分もありました。
ありがとうございます。
>しかし私は、
>育児インフラの整備は、
>それほど必要ないと思います。
この点についてはさまざまな意見があると思います。
ただ、育児インフラの整備をする事により、日常生活の
中に親で無い人も育児について意識する効果も期待できると
判断しております。
正直なところ、外に小さな子供の居場所がないのです。
歩道をあるっているだけで危ないと感じてしまう世の中に私は疑問を感じています。
>育児に関して行政が、
>あまりにも面倒をみるようになると、
>親と子供の距離が疎遠になったり、
育児インフラはその逆のことが期待できます。
親学のように、親の子育てに口出しするのではなく、育児の環境を提供することで、その活用はまさに親の方針に一任するわけです。
>子供の小さな頃には、
>できるだけ静かでゆったりした環境で、
>育児をされる方が良いと思います。
ご指摘の通りだと思います。
現状のインフラではそれが出来にくいわけです。
そこで、育児を意識したインフラ整備を提案しております。
>家庭環境や周囲の協力が大切であります。
>子供の育て方は、
>親によって様々であるでしょうが、
>子育てを知らない親が多すぎます。
この点においてはおっしゃるとおりだと思います。
しかし、それは、本来、日常生活の中で先輩となる大人が伝えることであり、行政の仕事ではないと思っています。
理由は、s.f.さんが述べたとおり、「子供の育て方は、親によって様々」であり、現場に応じて臨機応変にならなければいけないからです。
「親学」のような育児のマニュアル化は不適切ですし、これまでの行政の失敗を、育児において繰り返すことになります。
政府がからむと、一律の方法しか取れません。
価値観の多様化した現代社会において、一律的な方法はナンセンスです。
>こういった社会にしてしまったのは、
>私たち国民です。
同感です。
ですから、こうして育児の行いやすい環境づくりの一環として育児インフラの整備を提案しております。
>正論に対して反発する国民で良いのでしょうか?
私は、行動の無い机上の空論に反論しております。
>親になる人や、
>親になった人が親としての生き方や、
>子育てについて学ぶことが、
>大切だと思います
同感です。
ですから、それを担うのは行政ではなく、社会という隣近所であるべきだと思います。
>呟き尾形さんの様々な提案はとても興味深いので、
>私も参考にさせていただきたいと思います。
私の提案がお役に立てれば幸いです。
投稿: 呟き尾形 | 2007.10.24 06:55