空の向こう側-9頁
一人で歩き出したドブネズミの後を、さとる君が慌てて追いかけました。
まぶしい光を感じると、そこは、大きな川が流れていました。
「え、ここは、どこ?」
いきなり変わってしまった風景に戸惑うさとる君を見て、ドブネズミは地図を広げました。
「この川は、あの建物のところまでは、ナートゥラ川と言って、
そこから海までは、ラティオー川っていうんだ」
ドブネズミは向こう岸に見える建物を指差した後、下流に流れる川を指差しながら、さとる君に
教えてくれました。
でも、さとる君には、どう見ても一つの大きな川にしか見えませんでした。
「同じ川なのに、なんで名前が違うの?」
ドブネズミはさとる君の質問には答えず、肩をすくめていいました。
「違う名前を持つ川が、同じ川なのかどうかを見に来たんだ」
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