空の向こう側-8頁
一人で歩き出したドブネズミの後を、さとる君が慌てて追いかけました。
まぶしい光を感じると、そこは、たくさんの木や草が覆い茂っている森でした。
「え、ここは、どこ?」
いきなり変わってしまった風景に戸惑うさとる君を見て、ドブネズミは折りたたんだ大きな紙を広げました。
絵や文字が書いてある大きな紙を見て、さとる君はたずねました。
「それは、何?」
ドブネズミは答えました。
「これは地図。
今、さとる君が立っている場所は、オレノ国だね。
そして、私が立っている所は、ワタクシノ国だ」
さとる君は、びっくりしてドブネズミに聞きました。
「どうしてわかるの?」
「この地図にそうかいてあるから」
ドブネズミの言葉を聞いて、さとる君は周りや足元を見回しますが、自分では目印を見つけられませんでした。
ドブネズミは一本の大きな木を指差して、さとる君にたずねます。
「この木は、オレノ国とワタクシノ国の、境界線の上に立っている
けれど、この木はオレノ国、ワタクシノ国、どちらのものなのだろうね?」
さとる君はドブネズミの言っている事がわからず、答えられませんでした。
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