空の向こう側-14頁
ドブネズミが意地悪を言っているとしか思えないさとる君は、言い返します。
「僕は、空の向こう側にしか興味がないんだ。
だから僕は、もう境界線になんか行かないよ」
そう叫ぶと、さとる君は涙が後から後から流れて、声を出したいのに何かが喉に詰まった感じがして、
声をだせなくなってしまいました。
「興味が尽きないのなら、自分の目で確かめてみるしかないよ。
私は、次の場所に行くから、もう、お別れだね。
さようなら」
ドブネズミはさとる君に手を振ると、そのまま行ってしまいました。
さとる君がうまく出せない声を振り絞って、一生懸命ドブネズミを呼んでも
もう、ドブネズミは戻ってきませんでした。
Comments