空の向こう側-12頁
「空の向こう側には行かないよ」
ドブネズミは地図を見ながら、静かにいいました。
「え?」
さとる君はとてもびっくりして、踊っているそのままの格好で止まりました。
「今、なんていったの?」
ドブネズミは地図から目を離して、さとる君の顔を見ていいました。
「私は、空の向こう側には、行かないよ。
興味が無いからね。」
さとる君は、ドブネズミに駆け寄り、手を握っていいました。
「どうして?僕を連れて行ってくれるって、いったじゃないか」
ドブネズミは、さとる君の手をゆっくり解いていいました。
「私は、連れて行くなんて、いっていないよ。
私は私の興味のあるところにしか行かない、それでもいいなら
ついてくればいい、と言ったはずだよ」
Comments