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きょうぼうざい(呟き尾形の創作小説)

呟き尾形の創作童話・小説

 呟き尾形の創作童話・小説は、私、呟き尾形が創作した童話や小説を掲載するコンテンツです。
 既存の童話や小説や新たにかいたものも気まぐれにアップしていく予定です。

 今回は、ショートショートをかきました。
 ジャンルは、自分なりに創ってみて、風刺小説というジャンルわけしてみました。

 何を風刺したかといえば、共謀罪です。

謀罪 Q&A で、推進 反対でもだいぶ解釈がことなるようです。

推進側
http://www.moj.go.jp/HOUAN/KYOUBOUZAI/refer06.html

反対側
http://tochoho.jca.apc.org/kyz1/qaex.html

 で、これに向けて、風刺小説を書いてみました。

 かなり派手に誇張していますが、現在の法案では、それを規制する文章はみつけられませんでした。
 その気になれば、実現しうる小説なのかもしれません。

 ジャンルはSFになるのだとは思いますが、風刺小説です。

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きょうぼうざい

 法律とは、その社会生活の秩序を維持するために、国家によって、定められている、国民が守るべきルールである。
 それゆえ、その国家で定められた法律を破るということは罪になるという事は言うまでもない。
 オレは、ある犯罪を犯してしまった。
 もちろん、そんな犯罪をするつもりなんてなかった。
 だが、法律が定める犯罪に当てはまる行為をしたのは事実だ。
 となれば、警察は、草の根を分けてでもオレの事を探すだろう。

 罪名は共謀罪。
 共謀罪とは、犯罪の実行にかかわらずとも、複数の人間が、相談したり合意したりしただけで犯罪とされるというとんでもない悪法である。
 その凶暴な悪法がオレに牙をむけた表向きの理由は、自殺関与の共謀罪だった。
 オレは、インターネットで、自殺をしたいという人の相談を受けていた。
 励まそうと必死だった。
 ともに悩み、ともに笑った。
 だが、彼女は、ついに自殺してしまった。
 それで、オレの自殺関与の共謀罪という形が適用された。

 なんとも凶暴罪は、法律でありながらも無法な法律である。
 先日の新聞記事には、あるBarで、酔った勢いで、でそりの合わない上司を叩きのめしてやりたいなどと冗談を言って、一緒に笑っていた奴が障害共謀罪で逮捕された。

 他にも、インターネット上でのファンサイトあるいは、ファンクラブ活動、やゲームのユーザグループの活動が共謀罪に摘発されたという話もあった。
 なんでも、私的使用目的の改変のための情報交換が著作権法違反の疑いだそうだ。だが、権利侵害の証拠なしというのが問題になったが、この事件で、個人サイトの活動が勢いを失った。

 さらに、共謀罪は、組織犯罪に適用されると明記されていながら、その組織が二人以上の共謀という条件とされていた。
 これで、先日新聞でとり正されていたのが、「マンション建設反対運動共謀事件」だった。
 この事件は、マンション建設反対が、威力業務妨害とされた事件だった。
 この事件は、威力業務妨害の実行した人間だけにとどまらず、マンション建設反対運動に参加した市民が、威力業務妨害の共謀罪として摘発されたのだ。
 これによって、他の反対運動が沈静化していったことは言うまでもない。

 これだけではない。
 労働組合の闘争計画の立案や市民団体の各種抗議行動の立案などが組織的な威力業務妨害とし、共謀罪が適用されるらしい。

 また、大手食品メーカーの商品に、不正な薬物が利用されている可能性が上がったが、疑わしきは、罰せずの精神で無罪になった。
 だが、消費者も馬鹿ではない。
 不買運動を展開しようとしたが、大手食品メーカーは、「組織的威力業務妨害の共謀罪」をほのめかし、和解したというニュースも耳にした。

 共謀、共謀、共謀!
 社会の秩序を守るため、個人の言論の自由まで奪う法律、共謀罪。

 最初は、テロ組織や組織犯罪を取り締まるためだといって、ろくに説明もせずに、法案が通ったら、この有様だ。
 なんて世の中だ!
 組織犯罪という言葉の印象からかけ離れて、一般市民を取り締まる法律になりさがっていた。

 そして、共謀を立証するために、盗聴法が適用され、共謀罪の捜査を理由に、盗聴法が乱用され始めた。
 そう、通信傍受の正当化がなされてしまったのだ。
 さらに、共謀罪は密告すれば、共謀罪が免罪されるという取り決めがあり、卑劣なスパイ横行してしまった。
 共謀罪は、裏切りと不審の社会の推進したという事がいえた。
 そう、一般市民による国家のための相互監視社会の成立したわけだ。
 つまり、共謀法による処罰は、一般市民の言論の自由の抑止力として利用され、政府や役人の天下になったというわけだ。
 さらに、共謀罪は政治家と公務員には適用されない仕組みになっていたのだ。

 こうして、スパイ密告社会が成立してしまった。

 だが、オレは、ひそかに調査し続けた。
 ネットカフェや漫画喫茶を梯子し、時にはホームレスを装い、ありとあらゆる金融機関に不正アクセスし、一つの事実を導き出した。
 今の政治は、金の流れこそがその関係を示すものだからだ。
 ファンサイトをはじめとした摘発は、単なるスケープゴートだった。
 この事件をきっかけに、個人サイトの停滞をもたらした。
 それは、いわゆるblogをはじめとする、個人による政治批判の激減を導いたのだ。
 つまり、blogなどを解した政治批判が停滞することによって、マスメディアが政府と談合し、情報操作したというわけだ。
 そして、情報操作によって、政府の不正は正当化された。
 つまり、政府にとって都合の悪い情報は伏せられ、都合の良い情報だけを見せる。そうする事で政府の大儀は始めて成立するというわけだ。
 このように、主権者である国民をある種の洗脳していったのだ。
 なに、これは、特別な事ではない。むしろ、常套手段だ。

 そして、いかに、政治家が利己的であるかがよくわかる金の流れがあった。
 それは、「マンション建設反対運動共謀事件」のマンション建設に携わっていた企業の経営者が、実は、ある有力な政治家の血縁者だったのだ。
 さらに、労働組合で摘発されたケースは、政治家へ献金している額の多い企業のところだけで、他の企業の労働組合のケースはまったく共謀罪が適用されなかった。
 さらに、食品の不買運動のケースにおいては、その食品メーカーは、大量の官僚が天下りしていた・・・。
 共謀罪はテロ組織や犯罪組織を取り締まることなく、一般市民を取り締まる法律だったということだ。

 この事実と裏づけしたデータを、フリージャーナリストに渡せば、オレの計画は成功する。
 そう、計画通りに、あのBarで、それを渡せば、オレの復讐が成立するのだ。

 オレは、Barの扉を開く。
 この監視社会からすべての人間を解放する希望の扉だ。
「よ、よう。例のもの、もってきたか?」
 フリージャーナリストがオレの顔を見ていった。少しだけ様子がおかしかったが、それは共謀罪の陰謀を弾劾する証拠を持ってきたのだ。
 仕方がないだろう。
 オレは、データの入った小型PCをジャーナリストに見せた。
「すごい・・・」
 フリージャーナリストは目を見開き言葉を失い生唾を飲む音が聞こえてきた。
「刑事さん!
 やっぱり、こいつが犯人です。
 これで、私の罪はなくなるんでしょう?」
 フリージャーナリストは突然立ち上がりオレの背後にいる男にそう叫んだ。
 オレはとっさに後ろを振り返ると、数人の男がオレの背後に立っていた。
「残念だったな。
 共謀罪で逮捕する」
 刑事と呼ばれた男が、オレを見下すような目で見ている。
 そう、オレはフリージャーナリストに密告され、オレは逮捕されるわけだ。
 オレは、この情報をつかむために、ありとあらゆる違法を犯した。
 無実だというつもりはない。せいぜい、懲役5年程度だろう。
 だが・・・オレが世の中に戻ってくる頃、オレは英雄になるだろう。

 なぜなら、既にオレはデータを渡す約束をしたのは、目の前のフリージャーナリストだけではないし、ある意味もっとも効果的に活用してくれる人間に渡しているのだ。
 渡したのは、ある大物政治家だ。
 その大物政治家は、共謀罪を悪用し、推進している大物政治家と対立している、共謀罪反対派の大物政治家だ。
 なんでオレが、そんな大物政治家とコネクションがあるかって?
 オレに自殺を相談していたのが、共謀罪反対派の大物政治家の隠し子だったのだ。それを知ったのは、オレが犯罪者になってから、彼女の事を調べていたときに偶然知り、それを理由に、大物政治家に一部始終を話したのだった。
 オレがここまで逃げてこれたのは、きっと、裏で共謀罪反対派の大物政治家が妨害工作をしていたからだろう。

 なんにしろ、監視社会を歓迎する国民なんていやしない。
 共謀罪反対派の政治家は、その不満を爆発させ、一気に世論を味方につければ言いだけの話だ。
 その政治家は、オレに替わってオレの復讐を果たしてくれるだろう。

 ざまぁ~みろ! 

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 まぁ、現在、法案が検討されている共謀罪の法案をモデルにした風刺小説です。
 もちろん、共謀罪をモデルにたとはいえ、すべてフィクションです。
 が、こうならない可能性は否定できないというのがおそろしいことです。

 
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