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評議において裁判員が誤解する可能性は高い 裁判員制度への質問状 15

裁判員制度への質問状 15

 裁判員制度について、理解するために調べたところ、下記のような疑問がでてきました。
 一見とっぴょうしもない疑問だとは思います。
 しかしながら、冷静に実際に運用すれば、それほど特殊な条件でもなく、充分に現実にありうるとはおもいます。
 疑問とともに、私なりの私見を加えて書いてみました。
 すでに、メールにて、
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/iken.html
 へは送信し、法務省へも送付する旨の返信は返って来ました。
 実際、検討されるかどうかはわかりませんが、もしよろしければ、この記事を読みながら、疑問について考えていただければ幸いです。

 ちなみに、私の感じる、裁判員制度の問題点はこちらです。
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/02/post_19.html

-------------
 評議中、裁判官の説明が難しすぎて、どうしても理解できないときはどうするのですか?

 とりあえず、裁判員制度は,裁判員の方は普通は専門的な法律の知識がないということを前提とされているそうです。
 ですから、裁判官や検察官、それに弁護人は、審理を迅速で分かりやすいものとすることに努めなければならないということが法律で決められていますので、例えば、難しい法律用語はできるだけ分かりやすい言葉で説明されることになるそうです。
 が、実は、これには大きな矛盾があります。
 専門用語は、専門の仕事を迅速にするためにあるためのものです。
 しかし、専門家以外の基礎知識のない人にとって、専門外というだけで理解が難しくなります。
 すると、懇切丁寧な説明が必要になりますが、迅速な説明とは真逆のことになります。
 さらに、ある人にとってはわかりやすい説明でも、他の人にとってわかりにくい説明であるということは、至極当然です。
 つまり、法律の専門家が法律の専門家ではない人にわかりやすいと思い込んでいる可能性はかなり高いことが簡単に推測できます。
 さらに、言葉の問題があります。
 実は、法律用語において、「悪意」という言葉があります。
 この「悪意」とは、法律用語においては、一定の事実を知っていることとされています。
 しかし、裁判員は、一般的な悪意、つまり道徳的善悪として受け取ってしまうでしょうし、勘違いは避けられません。
 理屈としてはわかっていても、異なるニュアンスで捉えるのが一般社会だからです。
 専門知識を限定することなく、広い分野の人が集まることでわかりやすい説明でかつ迅速に進める事は、非現実的なことだといえます。
 さらにいえば、法律の専門家にとって当たり前とされていることをもって、説明するときの説明の意図と、裁判員の解釈が一致する事はむしろ稀であると判断します。
 そもそも、法律の専門家にとっての当たり前が、世間一般とのズレが裁判員導入になったのですから、法律の専門家にとってわかりやすいということが、世間一般のわかりやすいとは、異質なものであるという前提をもたないといけないでしょう。

 この現象は、過去に、システム開発という分野で発生し、問題とされてきました。
 つまり、ユーザーの業務知識とシステムエンジニアのシステム開発の知識との間に、前提のズレによる意思疎通がうまくできないということです。
 システム開発において、この問題をユーザーとシステムエンジニアの仲介役として、アドミニストレーターという役割をあたえました。
 異なる分野の専門家同士でさえ問題となることです。
 一般人すべてが対象となれば、法律の専門家からなされる説明が、それぞれまったくことなる意味で解釈され、その評議によって判決を下すということが妥当であるかどうかについては、大きな疑問があります。
 つまり、わかりやすい説明であろうがなかろうが、法律という独特の用語の利用方法や視点、考え方と世間一般の大きな隔たりがあるために、評議において、裁判員が誤解する可能性はきわめて高いということがいえます。
 これは、ものすごく大きな問題であり、容易に予想できます。
 それに対策を立てないというのは、怠慢であり、対策を立てないまま、裁判員制度を施行するのは、責任の放棄であるといえるでしょう。

 対策として、提案します。
 裁判員制度も法律の専門家と裁判員との間の仲介役が必要なのではないでしょうか?
 そして、おそらくは、その人材育成は間に合わないと思います。
 それは、単純に、裁判員制度の準備不足であり不備です。
 この準備不足と不備のまま判決を下されては、裁判の当事者はたまったものではありません。
 事前に、準備不足と不備がわかっていて、制度を行使するのは怠慢以外のなにものでもないでしょう。
 期日にこだわることなく、裁判員制度の目的を達成するための見直しが必要なのではないでしょうか?

疑問リスト

 信じられないところから、個人情報が漏洩する時代です。万が一、裁判所から個人情報が漏洩した場合、裁判所はどのような責任をとるのでしょうか?

 裁判員の選任手続きにおいて、場外される条件の一つとして、理由を示さない不選任請求を受けたものというのは、どういうことですか?
 
 公判や評議中に、重くない病気(風邪など)ではあるものの、一般的に仕事を休むような症状のときは、どうなるのですか?

 仕事が忙しいものの、裁判所が辞退を認めず、それによって、損害が生じたとき、裁判所はどのような補償をする用意があるのですか?

 結婚式と裁判員である期間が重なったときはどうするのですか?

 経営者が裁判員になり、何日も裁判によって休んだときに、顧客に仕事を断られてしまった場合、どうなるのですか?

 投資家が裁判員になり、株取引が出来なくなってしまった場合はどうなるのですか?

 裁判官や法律の専門家が裁判員になることはあるのですか?


 妊婦の女性が裁判員に選任されるのですか?
 また、選任されたとして、辞退は可能ですか?

 裁判員に選任されたあとに、重いケガや病気にかかったときはどうなるのですか?

 健常者以外の方が裁判員になったとき(盲目、難聴など)の用意は万端ですか?

 骨折などのけが人は、裁判員を辞退できるのですか?

 裁判の結果に対して、裁判員の評価を記事にすることは可能ですか?

 
裁判員になることで、逆恨みされた場合はどうなるのですか?

 http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/11/post_5d93.html

万が一、専門家に法律のことを知らないために馬鹿にされた場合どうなるのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/11/post_5d93.html

マスコミにしつこく質問、かつ狡猾に質問されて、結果的に秘密が漏れてしまった場合、マスコミに責任はないのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/11/post_4aa5.html

裁判員に対して,その仕事に関して頼み事をする行為というのは、マスコミのインタビューも含まれますか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/11/post_8a96.html

裁判員になり、守秘義務をまもりつつも、裁判員であることを隠して、裁判についての個人的意見を述べる事は禁止されますか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/11/post_9b26.html

自分が裁判員であることを、自分の意思で言うことに、なんら問題はありませんか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/12/post_6c43.html

評議のとき、裁判員がメモを取る事は許されますか?
そのメモが不慮の事後により、外部に流出したときはどうなるのですか?

http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2005/12/post_70f9.html

裁判員や裁判員であった、親族以外の大切な人(恋人や友人)を脅した場合は処罰されないのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/01/post_d9cd.html

直接秘密は守ったが、言葉の端々から、憶測や推測がたまたま当たっていて、結果的に秘密が漏れてしまったような形になった場合はどうなるのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/01/post_cd49.html

「評議」を決めるとき、全員一致なのか、多数決であったのか? ということについては明確にされるのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/01/post_c6af.html

出張などにより、外国にいた場合、裁判員は辞退出来ないのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/01/post_e82c.html

評議の期間中に、ストレスによって何らかの病気にかかったときはどのような対処になるのですか?

http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/02/post_8080.html


裁判員に選ばれた人が失踪中、ないし連絡が取れなかった場合はどうなるのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/02/post_3d26.html

地震などの天災による災害による、被害を理由に裁判員を辞退する事はできないのですか?
http://son.cocolog-nifty.com/tetugaku/2006/03/post_459f.html


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コメント

 これは大変大きな問題ですね。そもそも「裁判所」からして法律用語と一般のイメージが大きく違います。一般的には東京地裁とか最高裁という施設が思い浮かばれるのですが、法律的には「裁判を行う場所」という意味になるのです。

投稿: 高野 善通 | 2006.03.27 23:09

>これは大変大きな問題ですね。
 ええ、私もそう思うのです。
 裁判員制の目的が、世間一般の価値基準を取り入れるものだとしても、そもそも使っている言葉の意味がことなれば、どんなにわかりやすい説明でも誤解しますし、裁判員の解釈も変わります。
 誤解されたままで評議の結論が進んでしまうこと、誰がどう考えても大問題だとおもいます。

>そもそも「裁判所」からして法律用語と一般の
>イメージが大きく違います。一般的には東京
>地裁とか最高裁という施設が思い浮かばれ
>るのですが、法律的には「裁判を行う場所」
>という意味になるのです。
 そ、そうだったんですか!!!
 知りませんでした。

 他にもたくさんありそうですね。

投稿: 呟き尾形 | 2006.03.28 18:51

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